こん○○は、よふかしわーくすのよふかしさんです
よふかしさんが何にmicroSDカードを使用しているかというと
Raspberry Pi、ドラレコ、一眼カメラ、GoPro、ちょっとしたデータ移動ってくらいです
その中で今回はRaspberry Pi OSの速度向上を目論んでmicroSDカードを選定してみました
いざ選ぼうとすると、「どのメーカーが速い?」「耐久性は?」「本当にスペック通りなの?」という疑問が次々と湧いてきますよね
そこで、よふかしさんが所有している以下の4種類のSDカードを比較ベンチマークしてみました
追加購入分は特にRaspberry Piで高速化を狙ってみたものです
- SanDisk Extreme
- SanDisk HIGH ENDURANCE
- SanDisk Extreme Pro(今回新たに購入)
- Lexar Professional SILVER PLUS(今回新たに導入)
さらに、途中でカードリーダーも新しいものに変更したところ、ベンチマーク結果に思いがけない違いが出てたので、本記事ではその詳細も踏まえて記載します
各microSDカードの概要スペック
まずは今回の登場人物である4枚のmicroSDカードの公式スペックをざっくりまとめてみました
速度はシーケンシャルアクセスについてですが、Raspberry pi OSではランダムアクセス速度の方が重要です
それについては実測結果のところで解説します
カード名 | 規格 | 表記速度 | 特徴 |
---|---|---|---|
Extreme 32GB | UHS-I U3 V30 Class10 A1 | 最大読込100MB/s、書込60MB/s | 写真や動画向けバランス型 |
ENDURANCE 32GB | UHS-I U3 V30 Class10 A1 | 最大読込100MB/s、書込40MB/s | ドラレコや防犯カメラ向けの高耐久モデル |
Extreme Pro 32GB | UHS-I U3 V30 Class10 A1 | 最大読込100MB/s、書込90MB/s | ハイエンド・高速書込特化 |
SILVER PLUS 64GB | UHS-I U3 V30 Class10 A2 | 最大読込205MB/s、書込150MB/s | 高速かつコスパに優れたモデル |
Lexarのは、32GBモデルがなかったので64GBになってます
他と比較して、A1→A2というのが違いで、シーケンシャル性能はおおよそ倍になっています
ベンチマーク環境と測定条件
Raspberry Piで使う目的ですが、OSをインストールしたりなど、通常使用はWindows環境なので、その環境下でベンチマークをやってみます
- OS: Windows 10 Pro
- ソフト: CrystalDiskMark 9.0.0 x64
- シーケンシャル:SEQ1M Q8T1
- ランダム:RND4K Q32T1
カード名 | SEQ読込 | SEQ書込 | RND読込 | RND書込 |
---|---|---|---|---|
Extreme | 36.0 MB/s | 30.19 MB/s | 5.53 MB/s | 2.16 MB/s |
ENDURANCE | 37.02 MB/s | 30.19 MB/s | 5.02 MB/s | 2.21 MB/s |
Extreme Pro | 44.80 MB/s | 31.62 MB/s | 3.98 MB/s | 1.35 MB/s |
SILVER PLUS | 11.12 MB/s | 10.68 MB/s | 3.45 MB/s | 2.93 MB/s |
そもそもですが、全てのmicroSDカードで本来の性能が出ていません
特にSILVER PLUSに至っては他のものよりも高性能なはずなのに、逆にあり得ないくらい遅いという衝撃の結果になっています…
この結果を購入元の風見鶏さんに相談したところ、
- SDカードリーダーが原因と思われる
- 特に高速なSDカードの場合、電力供給不足で性能表示が逆転する現象はあり得る
という回答をいただいて、SDカードリーダーを新調してみました
SDカードリーダーを新調
今回はお安い下記を購入してみました
一応、レビューで150MB/s以上の結果が出ていたものです
USB3.0、転送速度5Mbpsと記載があっても、実際の書き込み速度上限が100MB/s程度となっているものもあるので注意です
この新しいカードリーダーを導入してベンチマーク測定してみた結果が下記です
カード名 | SEQ読込 | SEQ書込 | RND読込 | RND書込 |
---|---|---|---|---|
Extreme | 94.56 MB/s | 64.52 MB/s | 6.86 MB/s | 2.61 MB/s |
ENDURANCE | 94.60 MB/s | 63.07 MB/s | 6.14 MB/s | 2.54 MB/s |
Extreme Pro | 94.82 MB/s | 84.64 MB/s | 7.62 MB/s | 1.73 MB/s |
SILVER PLUS | 167.04 MB/s | 156.16 MB/s | 9.76 MB/s | 7.94 MB/s |
すべてのカードでSEQ(シーケンシャル)性能が数倍向上しました。
特に注目すべきは…
- SanDiskシリーズ(Extreme / Endurance / Pro): SEQ読込が94MB/s前後に跳ね上がり、UHS-Iの理論値限界近くまで性能を発揮
- Lexar SILVER PLUS: 読込が11MB/s → 167MB/s、書込も10MB/s → 156MB/sと、まるで別物レベルの向上
旧カードリーダーがSDインタフェースやUSB帯域を活かしきれていなかった可能性が濃厚です
USB3.0が本格的に普及し始めた最初の頃に購入しているのと、UHS-I U3 V30 A1カードが出る前だったので、対応していなかった可能性が高いです
新しいUGREENのSDカードリーダーでは、ようやく本来のUHS-I性能を引き出せたという感じです
Raspberry Pi OSでのベンチマーク
Raspberry Pi OSでの性能を測る方法として、
標準インストールされている「Raspberry Pi Diagnostics」という機能があります
ざっくりですが、
操作手順
- メニュー → アクセサリ → Raspberry Pi Diagnostics を起動
- 「Run Tests」をクリック
- 数十秒でテスト完了 → 結果が「PASS」または「FAIL」で表示
- 「Show Log」で詳細な数値を確認可能
こんな感じで簡単にできます
結果は、/home直下に、rpdiags.txt、というファイルに上書きされていくので、必要に応じてコピー等でバックアップを取っておきます
ちなみに、結果はこんな感じでした
カード名 | Seq Write | Rand Write | Rand Read | 判定 |
---|---|---|---|---|
Extreme | 18.847 MB/s | 730 IOPS | 1508 IOPS | ✅ PASS |
Extreme Pro | 19.760 MB/s | 891 IOPS | 1905 IOPS | ✅ PASS |
SILVER PLUS | 19.206 MB/s | 2075 IOPS | 3037 IOPS | ✅ PASS |
結果として、シーケンシャル書き込み速度は大差ないですが、ランダムWrite / Readで明暗が分かれました
- Lexar SILVER PLUS:ランダム性能がよく、小ファイルの読み書きが高速
- Extreme:及第点ながら、やや控えめな性能
- Extreme Pro:上位モデルにしては体感できるほどの差はない
Raspberry Pi OS向けにはランダム性能の方が重要なので、Lexar Professional SILVER PLUSが適していることがわかります
A2のカードなので、3B+でどうなるかが不安要素でしたが、結果が良好でよかったです
お値段的にも2025年6月現在で1500円程度なので、軽い気持ちで試すにもおすすめできるコスパです
逆に、Extreme Proは元々が映像系に特化しているためか、ランダム性能は控えめです
再フォーマットで速度改善
SDカードは使用しているとファイルの断片化や空きブロックの断続的使用によって速度低下が起こってきます
実際に、再フォーマット前後でどうなるのかを試してみました
使用したのは以前のブログで紹介した、SD Association公式のSD Card Formatterを使います
今回はクイックフォーマットではなく、上書きフォーマットを実施します
今回の性能テストでRaspberry Pi OSを何回も書いたりしていたExtreme Proを事例に挙げてみます
カード名 | SEQ読込 | SEQ書込 | RND読込 | RND書込 |
---|---|---|---|---|
フォーマット前 | 95.08 MB/s | 6.49 MB/s | 7.57 MB/s | 0.28 MB/s |
フォーマット後 | 94.85 MB/s | 86.21 MB/s | 7.63 MB/s | 1.72 MB/s |
シーケンシャルもランダムも、書き込み性能がガタ落ちしていましたが、フォーマットの実施で当初の性能にまで戻る改善っぷりでした
まとめ
microSDの性能は「カード+リーダー」の組み合わせで捉えるのが重要
今回の検証では、SDカードの性能比較だけでなく、カードリーダーの重要性も痛感しました
どれだけ良いカードを使っていても、リーダーが性能を引き出せなければ本来のスペックは測れません
Raspberry Pi OSでの性能に関してはRaspberry Pi OSで実測するのが一番よいと思いますが
Windowsでのベンチマーク結果が転用できるので、OSを入れなくてよい分、手軽に試せてよいです
Extremeは定番として使える、もっと速度を狙うならLexar Professional SILVER PLUSは価格もこなれているのでよい選択肢と言えると思います
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