こん○○は、よふかしわーくすのよふかしさんです
それはそれは古~いIntel第二世代のノートPCがウチにありまして、
現在はWindows10を入れてAmazon Music再生専用機として現役稼働しています
ただ、Windows10のサポート終了が近づいてきて、このまま運用するか
Windows11非対応PCに無理矢理Windows11を入れるか…と悩んでいましたが、
ふと、フリーで使えるLinuxベースのUbuntuを入れようと思いついてやってみました
なんだかんだ、今回もハマりにハマったので成功手順を残しておきます…
✅ この記事でわかること
- 古いPCにUbuntuを導入する手順(Windows非対応PCの再活用)
- RDP/VNCを使ったUbuntuのリモート操作環境の構築
- Bottles経由でWindows用Amazon Musicアプリを使用して高音質再生する方法
実現したいこと・この記事でわかること
今回、ミニマムで実現したいことは下記です
- Ubuntuを新規インストールしたい
- 早い段階で別のWindows機からリモートアクセスで操作できる様にしたい
- Amazon Musicをハイレゾで再生したい
これらを受けて本記事では下記を解説していきます
- 古いPCにUbuntuを導入する手順
- RDP/VNCによるリモート操作の工夫
- Bottlesを使ったWindowsアプリの導入と実行
- Amazon Musicを高音質で再生する方法
Ubuntu 22.04 LTSのダウンロードとUSB作成
Ubuntuは下記の公式サイトからDLします
今回は、Ubuntu 22.04 LTSを導入します
完了すると、ubuntu-22.04-desktop-amd64.iso、というファイルがDLされます
USBインストールメディアにはRufusを使用します
下記の公式サイトからDLします
完了すると、rufus-4.9.exe、というファイルがDLされます
Rufusを起動して設定をしていきます
MBR+BIOSとGPT+UEFIが選べるのですが、今回はUEFI機だったのでUEFIで設定していきます
(元のWindows10は何故かMBRで作成されていたけど…)
下記設定にして、スタートを押す

OKを選択

OKを選択

OKを選択

これで、数分待つとインストールメディアの作成が完了します
Ubuntu 22.04 LTSのインストール手順
既にフォーマットされて空になったストレージがあることを前提として
作成したUSBメモリからインストールしていきます
もし、まだWindows環境が残ったまま等であれば、
Utuntuのインストーラに入っているGPartedを使用してパーティション等を削除します
通常のインストール、Ubuntuのインストール中にアップデートをダウンロードする、として続ける

今回は空のストレージで、かつパーティションも必要ないので、
ディスクを削除してUbuntuをインストール、を選択して、インストール

続ける

続ける

数分で完了するので、今すぐ再起動する

途中で、USBを外してEnterを押して、という画面が出るので従います
再起動後、初回起動画面が表示されます
スキップ

次へ

いいえ、送信しません、を選択して、次へ

次へ

完了

これでデスクトップ画面が表示されるはずです
初期セットアップ
起動して早速目的の作業に入りたいところですが、起動まもなくアップグレードを求められるので実施しておきます
これらのアップグレード、アップデートはこのタイミングで実行しておくのを強く推奨します
※次回にたずねる、後で通知する、とした場合、システムエラーが頻発しました…
今すぐアップグレードする

今すぐインストールする


パスワード入力の省略
sudoを実行する度に、ダイアログ等でパスワードを聞かれるので煩わしいです
パスワード入力を省略できる様に設定します
今回はubmain3というユーザー名で解説しますので、適宜読み替えて指定してください
sudo visudo
ubmain3 ALL=(ALL) NOPASSWD: ALL
その後、最新版に更新しておきます
sudo apt update
sudo apt upgrade
Windowsからリモートデスクトップする設定 RDP
まずはWindows標準のリモートデスクトップ(RDP)経由でのアクセス設定をします
Ubuntuのアプリケーションを表示する→設定→左メニューの共有を選択、右上の共有のスイッチをON
リモートデスクトップ、を選択する

リモートデスクトップ、レガシーなVNCプロトコルを有効にする、リモートコントロールをそれぞれONする
一番下のパスワードは、ログインの度にランダムで設定されてしまいます
RDP接続前に手動で空にしておくと、Windows側からはパスワード入力なしでアクセスできます

リモートデスクトップアドレスの、ms-rd://を除いた部分をRDPコピペして実行すると接続できます
もちろん、IPアドレスベースでも接続可能です

RDPでの接続はできたわけですが、既に記載した通り、
毎回パスワードが自動で変わる
という、なんともセキュリティ的に優しい仕様になっており、結局、
リモート接続時はリモート先のPCの前にいないといけない
ということになってしまいます
調べた感じでは、パスワードをコマンドでぱっと空にすることはできそうにないです
手動操作同様に、GUIをゴリっと操作すればいけそうですが、
なんかカスタムUIが使われているっぽくて、キー操作だけでなく、マウス操作もしないといけないので
ちょっとSkipして別の方策に移ります
Windowsからリモートデスクトップする設定 VNC(x11版、非Wayland)
Raspberry Piのリモート操作に使っているRealVNCを使ってのリモート操作を設定します
Ubuntu側にVNCでアクセスを受け付ける設定を実施していきます
# x11vncのインストール
sudo apt install x11vnc
# x11vncのパスワード設定
x11vnc -storepasswd
対話式でパスワード設定、Verifyを聞かれるので入力します
その後、パスワードファイルにパーミッションを設定します
chmod 600 /home/ubmain3/.vnc/passwd
VNCでの接続の場合、アクセス要求を出すと、毎回Ubuntu側に確認ダイアログが発生して、
そこでAcceptを選択しないと接続ができません
またしても結局、
リモート接続時はリモート先のPCの前にいないといけない
ということになってしまいます
これではまずいので、自動でVNC接続できる様に設定していきます
まずは、x11の認証情報が格納されたファイルのパスを確認します
echo $XAUTHORITY
今回は、/run/user/1000/gdm/Xauthority、が返ってきました
これをもとにして、systemdでの自動起動設定を実施していきます
sudo nano /etc/systemd/system/x11vnc.service
下記の内容を記述します
nanoなので、Ctrl+Oの後、Enterで保存、Ctrl+Xで抜けます
[Unit]
Description=x11vnc server
After=display-manager.service
[Service]
User=ubmain3
ExecStart=/usr/bin/x11vnc -auth /run/user/1000/gdm/Xauthority -display :0 -forever -shared -nopw
Restart=on-failure
[Install]
WantedBy=graphical.target
x11vncをsystemdサービスとして登録・起動します
sudo systemctl daemon-reexec
sudo systemctl enable x11vnc.service
sudo systemctl start x11vnc.service
今回はx11を使用するのでWaylandは明示的に不許可にしておきます
sudo nano /etc/gdm3/custom.conf
恐らく、
#WaylandEnable=false
という記述があるので、#のコメントアウトを外して
WaylandEnable=false
として保存します
ここまで終わったら再起動です
sudo reboot
さて、ここでWindows側の設定をしておきます
デフォルト設定ままの場合、なんか画面解像度がうまく伝わらず、
接続できても画面が真っ黒になる現象が発生します
対策として、RealVNC側のQualityをAuto以外に変更して固定します
Mediumでもいいですが、今回はHighとしています

ここまでで、Acceptを押さなくても自動接続可能となりました
但し、これでもまだうまくないところが残存します
というのも、
クリップボードが効かない
のです
色々試したけどダメです…
TigerVNC、UltraVNC、x0vncserver、etc…
最終的に、下記の運用に落ち着きました
- RealVNCで接続
- 設定→共有→リモートデスクトップのパスワード空にする
- RDPで接続
- RealVNC接続を閉じる
ちょっと?かなり?手間ですが、一旦やりたいことができた方策です
RealVNCを閉じるのも意味があって、VNCだと各種キーの長押しが効きません
RDP接続後、VNCを切れば長押しも問題なく動作する様になります
Windows向けAmazon MusicアプリをUtuntuでDownloadする手順
やっとこの辺りから、本題に入っていきます
Amazon Music for Windows AppをDLすべく公式ページにアクセスします
直リンだと下記です
なんですが、
Windowsじゃないと判断されている様で、DLできません…
Ubuntuに標準インストールされているFirefoxを使用してWindowsに偽装してDLします
Firefoxを起動し、右上の三本線マークを選択、Add-ons and themes、を選択

Find more add-onsの欄に、user agent switcher、と入力して検索

User-Agent Switcherを選択するとこんな画面になります
Firefoxのバージョンが古いので、最新にしろって怒られます
Download the new Firefox and get the extension、をクリックしてDLします

DLファイルはダウンロードフォルダに保存されます
ここから、ファイルを展開して、実行していきます
cd /home/ubmain3/ダウンロード
tar -xf firefox-141.0.tar.xz
./firefox/firefox &
無事に起動できたら、右上の三本線マークを選択、拡張機能とテーマ、を選択します

user agent switcherを検索して、Firefoxへ追加、を選択

User-Agent Switcherを起動すると、何に偽装するかが選べるので、
一番上の、Windows / Firefox 136、を選択します

これで、Amazon MusicアプリがDLできました
Amazon MusicをBottlesで動作させる
Amazon MusicアプリはあくまでWindows用なので、Ubuntuで動作させるためにBottlesを使います
まずは、Flathubをインストールします
sudo apt install flatpak gnome-software-plugin-flatpak
sudo flatpak remote-add --if-not-exists flathub https://flathub.org/repo/flathub.flatpakrepo
flatpak install flathub com.usebottles.bottles -y
一旦再起動します
再起動すると、アプリケーションを表示する、の中にボトル、というのができるので実行します

実行するとこんな感じ
左上の+マークをクリックして新規作成していきます

名前は、AmazonMusic、としました
これで作成、を選択

しばらくすると、こうなります

上のメニューでボトル、を選択
AmazonMusicのギアマーク、を選択

AmazonMusicInstaller.exeを選択して実行します

こんな画面になるので、実行可能ファイルを実行、を選択

インストールが完了すると、AmazonMusicの横に再生ボタンができるので、それを選択

これでAmazon Musicアプリが起動しました
が…文字化けして豆腐文字になってしまいます…

なので、日本語フォントを適用していきます
オプションの、依存関係、を選択

cjkfontsを探して、ダウンロードボタンをクリック

その後、改めてAmazonMusic横の再生ボタンを押すと
ちゃんと日本語で表示されて、成功です!

PC側のハイレゾ再生の設定
Amazon MusicのWindowsアプリではハイレゾ再生が可能ですが、
PC側の設定も変えておかないといけません
まずは、デバイスの情報を取得、確認したいデバイスNoを指定して実行します
これは、カードNo.0、デバイスNo.0の例です
aplay -l
aplay -D hw:0,0 --dump-hw-params /dev/zero
カードNo.1、デバイスNo.2の場合は下記とします
aplay -D hw:1,2 --dump-hw-params /dev/zero
実行結果の例です
再生中 raw データ '/dev/zero' : Unsigned 8 bit, レート 8000 Hz, モノラル
HW Params of device "hw:0,0":
--------------------
ACCESS: MMAP_INTERLEAVED RW_INTERLEAVED
FORMAT: S16_LE S32_LE
SUBFORMAT: STD
SAMPLE_BITS: [16 32]
FRAME_BITS: [32 64]
CHANNELS: 2
RATE: [48000 192000]
PERIOD_TIME: (83 10922667)
PERIOD_SIZE: [16 524288]
PERIOD_BYTES: [128 2097152]
PERIODS: [2 32]
BUFFER_TIME: (166 21845334)
BUFFER_SIZE: [32 1048576]
BUFFER_BYTES: [128 4194304]
TICK_TIME: ALL
--------------------
aplay: set_params:1352: サンプルフォーマットが使用不可能
Available formats:
- S16_LE
- S32_LE
RATE: [48000 192000]の部分から、192kHzまでアップさせることが可能だとわかります
PC、Ubuntu側のサンプリングレートを書き換えます
# 念のためバックアップ作成
sudo cp /etc/pulse/daemon.conf /etc/pulse/daemon.conf.bak
# サンプリングレート書き換え
sudo nano /etc/pulse/daemon.conf
下記の設定のコメントアウトを解除して値を変更します(192kHzの場合)
default-sample-rate = 192000
alternate-sample-rate = 192000

これでサンプリングレートはそのPCの最大まで発揮できる様になります
ちなみにですが
AmazonMusicアプリ側で、ラウドネスノーマライゼーションをOFFしておくのもおすすめしておきます

AmazonMusicアプリのショートカットをデスクトップに作成する
毎回、Bottlesから実行するのは面倒なので、デスクトップにショートカットを作ります
まずは、ショートカットを追加を実行します

次に、どこにAmazonMusicの.desktopファイルがあるか探します
find ~/.local/share/applications -name "*.desktop"
今回は下記にありました
/home/ubmain3/.local/share/applications/AmazonMusic--Amazon Music--1753620441.494397.desktop
この結果に従って、以下のコマンドをターミナルで実行します
cp "/home/ubmain3/.local/share/applications/AmazonMusic--Amazon Music--1753620441.494397.desktop" ~/デスクトップ/
実行権限を付与します
chmod +x ~/デスクトップ/AmazonMusic--Amazon\ Music--1753620441.494397.desktop
デスクトップに作成されたAmazonMusicのアイコンを右クリック、起動を許可する、を選択

これで、デスクトップにショートカットアイコンが表示されて、ダブルクリックで起動できるようになります

終わりに
Windows11非対応のPCだったので、最悪は買い替え…というのも頭をよぎったのですが
LinuxベースのUbuntuを導入することで、追加費用なくやりたいことができるようになりました
デスクトップPCやミニPCだとディスプレイやキーボードが一体ではないので取り回しに難があるのと
タブレットだと操作性もちょっと…だったので、ノートPCが活かせて満足です
めちゃ古いPCですが、軽量なUbuntuでは快適に使えるということで
また再利用することができるようになったので、壊れるまではがんばってもらおうと思いますw
リモートデスクトップの自動ログイン、クリップボードの使用には課題が残っていますが
暫定策としてはOK、恒久策も色々やってみたのですが、まだみつかっていません…
また、Ubuntu 24.04.2 LTSでも試行してみたところ
リモートデスクトップ関連でWaylandの絡みからか、色々とうまくいかなかったので
ひとまずUbuntu 22.04 LTSでの構築を安定版として採用しました
またどこかではバージョンアップしないといけなくなるとは思いますが
Ubuntu側の進化に期待して、ひとまずUbuntu 24.04.2 LTSはSkipしておきます。。。
おまけ:セットアップの自動化スクリプト
下記に今回の設定内容を自動化したshスクリプトを参考までに載せておきます
GUI操作については自動化していませんので、手動操作が必要です
#!/bin/bash
set -e
# ----- 事前確認 -----
USER_NAME="ubmain3" # ユーザー名を適宜変更
VNC_PASSWORD="a" # VNCパスワードを適宜変更
DISPLAY_NUM=":0"
AUTH_PATH=$(echo $XAUTHORITY)
# ----- sudo パスワード省略設定 -----
echo "$USER_NAME ALL=(ALL) NOPASSWD: ALL" | sudo tee -a /etc/sudoers.d/nopasswd
# ----- update & upgrade -----
sudo apt update
sudo apt upgrade
# ----- VNC関連設定 -----
sudo apt install -y x11vnc
mkdir -p /home/$USER_NAME/.vnc
echo "$VNC_PASSWORD" | x11vnc -storepasswd -f /home/$USER_NAME/.vnc/passwd
chmod 600 /home/$USER_NAME/.vnc/passwd
# ----- x11vnc systemdサービス作成 -----
sudo tee /etc/systemd/system/x11vnc.service > /dev/null <<EOF
[Unit]
Description=x11vnc server
After=display-manager.service
[Service]
User=$USER_NAME
ExecStart=/usr/bin/x11vnc -auth $AUTH_PATH -display $DISPLAY_NUM -forever -shared -nopw
Restart=on-failure
[Install]
WantedBy=graphical.target
EOF
sudo systemctl daemon-reexec
sudo systemctl enable x11vnc.service
sudo systemctl start x11vnc.service
# ----- Wayland無効化 -----
sudo sed -i 's/#WaylandEnable=false/WaylandEnable=false/' /etc/gdm3/custom.conf
# ----- FlatpakとBottles導入 -----
sudo apt install -y flatpak gnome-software-plugin-flatpak
sudo flatpak remote-add --if-not-exists flathub https://flathub.org/repo/flathub.flatpakrepo
flatpak install -y flathub com.usebottles.bottles
# ----- PulseAudio サンプリングレート変更 -----
sudo cp /etc/pulse/daemon.conf /etc/pulse/daemon.conf.bak
sudo sed -i '/^;default-sample-rate/c\default-sample-rate = 192000' /etc/pulse/daemon.conf
sudo sed -i '/^;alternate-sample-rate/c\alternate-sample-rate = 192000' /etc/pulse/daemon.conf
# ----- 再起動推奨 -----
echo "✅ セットアップ完了!再起動して反映してください"
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